マヤ・アンジェロウ Ⅱ

なぜこの人の詩はこんなにパワフルなんでしょう?それほど難しい言葉を使っている訳でもないのに、力強くてすごく深みがあるんです。この詩の背景にあるのはアフリカ系アメリカ人の奴隷としての歴史です。レイプや虐待の対象となった黒人女性が、高価な石油や金と同じくらい貴重な存在であり、どんな逆境にあっても負けないという、とても前向きな詩です。くじけそうなあなたに送るマヤ・アンジェロウ(Maya Angelou)第2段。原文は英語版i-ADNESに投稿しました。フェノメナル・ウーマン(Phenomenal)はこちら


それでも 私は立ち上がる
 
作/マヤ・アンジェロウ、訳/i-ADNES (注;あくまで個人的な趣味で訳したものですのであしからず。)

ひどく ゆがんだ嘘で
けなされ 歴史に記されても
汚れた地面に 踏みつけられても
舞い上がるほこりのように 私は立ち上がる

生意気だから動揺しているの?
なぜ気にしているの?
私が歩いているから
まるで居間に石油が湧き出ているかのように

月や太陽の動きに伴い
潮の確かな満ち引きがあるように
まるで希望が湧き上るように
それでも 私は立ち上がる

ぼろぼろの私を見たかったの?
うなだれて視線を落とした私を?
涙のしずくのように肩をおとし
悲しみの叫びで弱った私を

傲慢な態度が気に入らないの?
そんなに悪く思わないで
私が笑っているからって
まるで裏庭で金を掘り当てたみたいに

言葉で深く傷つけられても
どんなに冷たい視線を向けられても
憎しみで死ぬほど苦しめられても
空気のように 私は立ち上がる

私の色気に動揺しているの?
ドキッとしたのね
私が踊っているから
太ももの付け根にダイヤモンドでもあるみたいに

過去の恥ずかしい小屋から抜け出し
私は立ち上がる
苦痛に根ざした過去から身を起こし
私は立ち上がる
私は黒い海 大きくうねり
膨れ上がる潮の流れの中で私は子を宿す

恐怖や不安な夜を抜け出し
私は立ち上がる
驚くほど澄み切った夜明けに向かって
私は立ち上がる

祖先から授かった贈り物を手に
私は奴隷の夢と希望
私は立ち上がる
すべてを乗り越え
立ち上がる


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